ブログ 船橋市の馬込霊園前にある総合供養サービス企業「いしとも」のブログです。

近年、「お墓の承継者がいない」「遠方で管理が難しい」といった理由から「墓じまい」を検討される方が増えています。しかし、墓石の撤去や改葬（遺骨の引っ越し）にはまとまった費用がかかるため、経済的な負担が懸念されがちです。
そんな時、自治体が設けている補助金制度や支援事業が大きな助けとなります。全国的に見ると、墓じまいに関する補助金制度がある自治体はまだ多くはありませんが、千葉県内にも独自の支援策を実施している市町村があります。

今回は、千葉県とその中の市町村で、墓じまいの支援制度がある自治体の情報をご紹介します。（※情報は2025年10月時点の調査に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があるため、必ず各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。）

千葉県内で墓じまいの補助金・支援制度がある主な自治体

調査の結果、千葉県内では、主に公営霊園の利用者を対象とした墓じまい（墓地返還）に関する支援制度を設けている自治体が見受けられます。

1. 市川市
市川市では、**「市川市霊園」**の一般墓地を返還する使用者を対象に、複数の支援策を実施しています。

制度名 支援内容の概要 補助・助成額（上限）
市川市霊園一般墓地返還促進事業 原状回復費用の助成 芝生墓地で75,000円、一般墓地で区画の大きさにより210,000円～440,000円が限度額
墓地使用料の返還 使用許可後3年以内（未使用・更地）の返還で納付額の1/2、それ以外は1/4を返還
改葬支援 市川市霊園合葬式墓地への特例的な使用許可（公募以外での生前・遺骨の申込が可能）

対象者： 市川市霊園一般墓地の使用許可を受けている方で、管理が困難になった方など。

ポイント： 撤去費用の補助だけでなく、使用料の一部返還や、合葬式墓地への改葬先の確保も支援している点が特徴です。

2. 浦安市
浦安市では、**「浦安市墓地公園」**の墓所を返還する使用者を対象とした支援事業があります。

制度名 支援内容の概要 補助・助成額（上限）
墓所返還者等支援事業 原状回復費用の助成 墓石の撤去と区画の原状回復工事費用として最大150,000円の補助
改葬支援 納骨されている遺骨の改葬先として、合祀施設の無償提供

対象者： 浦安市墓地公園の墓所使用者など。

ポイント： 撤去費用の助成に加え、改葬先の合祀施設を無償で提供してくれるため、改葬先の費用負担を大幅に軽減できます。

3. 市原市
市原市では、墓じまい後の改葬先として市営墓園の合葬墓を無料で利用できる制度があります。

制度名 支援内容の概要 費用負担
合葬墓特例使用許可制度 市営墓園を返還する場合、当該墓地に埋蔵されている焼骨に限り、市原市海保墓園合葬墓（合葬室）を無料で利用可能 遺骨の改葬・撤去費用などは使用者負担

対象者： 市営墓園を使用されている方で、使用墓地を返還する場合。

ポイント： 墓石の撤去や改葬手続きの費用は自己負担ですが、永代供養となる合葬墓の利用料が無料になるというメリットがあります。

まとめと注意点

千葉県内で墓じまいの補助金・支援制度を実施しているのは、主に市川市、浦安市、市原市といった一部の市町村で、公営霊園の墓地返還を促進するための事業が多いことがわかります。
これらの制度を利用することで、高額になりがちな墓じまいの費用（特に墓石の撤去費用や改葬先の費用）を大きく抑えることが可能です。

墓じまい支援制度を利用する際の注意点
対象者が限定される： ほとんどの制度は、その自治体が管理する公営霊園の使用者であることが条件です。寺院墓地や民営霊園の墓じまいには適用されないことが一般的です。

事前に確認が必要： 申請には、墓じまいを行う前に申請書や必要書類を提出する必要があるなど、手続きの順序が厳密に定められていることが多いです。必ず墓じまいを始める前に、各自治体の担当窓口や霊園の管理事務所に連絡を取り、最新の制度内容、対象者、申請期間、必要書類を詳細に確認しましょう。

他の自治体も確認を： ここに挙げた以外の市町村でも、制度の新設や変更が行われる可能性があります。お墓がある自治体の公式ホームページで「墓じまい」「墓地返還」「助成金」などのキーワードで検索するか、直接問い合わせてみることをおすすめします。

墓じまいは、故人やご先祖様への供養の形を変える大切な決断です。補助金制度を賢く活用し、納得のいく形で手続きを進めてくださいね。